毎年今頃になると、ニースの市場はピンク色の花で華やかさを益す。
何の花かも気に求めていなかったが、今年は何時も行きつけの自然派の生産者のお友達が、水にさらせば元気になるからと、ポンとこの花束をくれた。
これが「リラの花!」だったとは、今の今まで気がつかなかった。
その昔ニースに住んでいた青山義雄画伯が、最初にフランスへ来た頃、パリはリラの花で一杯だった!と、言う話をマイカは画伯本人から聞いたというが、「リラの花!」がこんなにも強烈な甘い香りと、色彩で私を魅了したことは未だかつて無かった。
マイカの誕生日(4月18日)も間近で、マイカの誕生日を喜んでいるようにも感じるリラの花である。
ワインの生産者の撮影を始めるまで、「サムサラ」を愛していたマイカに、何か共通する強烈なフランスの春の香りだ。
同じ日の午後、この生産者の畑を尋ねた。
3人掛かりで、明日の市場用のリラの花束造りに余念がなかった。
帰り際、又特別大きなリラの花束をもらった。
そして此処に咲いているの、と眼下の畑のリラの群生地を指差した。
野の花がこんなに力強く、逞しさを抱き、しかも魅力溢れた香りに色とは、正に「恋の花」たる由縁だと気がついた。


